Qubes研究所−資料室

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資料室

ここではQubes素材とは何なのか、
またどの様な仕組みで構成されているのかなどを
公式サイトとは違った角度から
検証していきたいと思います。

Qubesについて−1
〜 Qubesのある風景 〜
キャプチャー画面
Game System & Arrow_card Original design - (C) groupAsk
Cast design - (C) Kuriyama

Qubes。

それまで「一枚絵」を背景にすることが当たり前だったCardWirthの世界に、革命をもたらした斬新なシステム。

クォータービューによるリアルで臨場感溢れるこの背景は基本的に5枚の画像で構成されており、これらを差し替えていくだけで(たとえば部屋、通路、十字路など)あらゆる場面を作り出すことが出来る。

確かにシナリオへの導入に関してはそれなりの労力や(シナリオ制作に関する)知識などを必要とするが、完成後にプレイヤーへ与える視覚的効果の高さは言うまでもないだろう。
リアルサイズ表示

※ ゲーム画面及び一部のカードリソース(改変品)はgroupAskさん制作。キャスト画像は栗山さん制作


Qubesについて−2
〜 構造と配置設定 〜
Qubesの構造 先に述べた通りQubesは基本的に5つの画像で構成されており、各画像(以下パーツ)をCardWirthのセル機能を使って貼り合わせていくことで一つの背景を作り上げる。

パーツの配置順はug(底面) bl(奥側左) br(奥側右)fl(手前側左) fr(手前側右) となっていて、実際にこの配置を「完成品」の上に配置してみると、左図のようになる。

CardWirthEditer Ver.1.25以上であれば、パーツは(セルの設定で設置順さえ正しく指定すれば)サイズ・座標指定・マスクの設定を含め(簡単設定によって)容易に設置できるようになっている。

ちなみに各種オブジェクトパーツは奥側と手前側の間に配置する。

なお、パーツは基本的に全てマスクをONにした上で使用する。
リアルサイズ表示

・ug(底面) 320x160 (left:160 top:80)

・bl(奥側左) 240x160 (left:80 top:0)
・br(奥側右) 240x160 (left320 top:0)

・fl(手前側左) 240x200(left:80 top:80)
・fr(手前側右) 240x200(left:320 top80)

・全画像サイズ480x280(left:80 top:0)


Qubesについて−3
 〜 概念 〜
Qubesにおける等角図 3点透視図法が用いられる純粋な3Dとは異なり、Qubesを含めたクォータービューは等角図法と呼ばれる描画方法によって擬似的に立体を表現している。

本来の等角図は角度を測った上で描画するのだが、Qubesの場合はこれと微妙に異なり、もっと解りやすい法則になっている。

例えば正方形の平面をQubesの法則で描画しようと思ったら、縦横比が1:2の菱形を描くだけで完成する。

同様に正円形の平面であれば、縦横比が1:2の楕円形を描くことになる。

また等角図法の強みとして平行六面体(立方体や四角柱・直方体)や円柱を描く場合も簡単で、先に描いた菱形の角からそれぞれ同じ長さの垂直線を引き、それ結ぶ菱形を描くだけでよい。

比は上図の通り12
高さを表す垂直線の長さは全て同じ

仮に平面が横幅20ピクセルの画像であるなら、縦幅は10ピクセルに設定する

ある地点から15ピクセル上に位置する点は、他の地点から15ピクセル上にある点と同じ高さにあるという事になる



Qubesについて−4
〜 底面と側壁の関係 〜
菱形底面と側壁 多くのパーツは「底面」と「側壁(垂直構造物)」の2つの要素で構成されている。

底面の形状には主に菱形と楕円(共に上記通り縦横比1:2)の2種類がある。

「完成品」における視覚効果の観点から言えば両者に明確な違いはないが、素材制作時には大きな違いが現れる。

より正確な立体構成が求められる屋内やダンジョンといった人工構造物を作る上では、(比較的)制作が容易になる菱形底面がよく用いられる。

この場合、側壁も長方形画像に対して傾斜(平行四辺形)変形を行うだけで制作できる。

一方で楕円底面を採用すると菱形底面よりも描画範囲が拡大することから、屋外や洞窟といった天然造成物において用いられることが多い。

ただし側壁を作るにはそれなりの労力が必要とされる。
楕円底面と側壁

楕円底面に則した側壁の効果的な作り方が解らない為、下のサンプル画像は適当に作ってみた





Qubesについて−5
〜 半透明描画 〜
透過色配置図 周知の事実ではあるが、CardWirthのマスク機能とは座標0,0(一番左上のドット)を透過色として認識するものである。

前述の通り基本的に全てのパーツがこの機能を利用しているので、座標0,0に透過色を用いる必要がある。

またfl・frといった手前側に表示されるパーツや、通路など一部のパーツの側壁部は、重なっている部分を隠さないようにシースルー構造になっている事が多い。

これは画像に対して行う純粋な半透明処理と異なり、1/2トーンで透過色を網掛けする事によって実現している。

ただこれとは別に、手前側の側壁を透明描画…つまり全く描画しない、という手法も存在する(後述)。
透過色配置サンプル

透過色の配置図(上)と配置サンプル(下)。


各パーツの一番左上のドットは必ず透過色に指定する必要があり、また併せて各パーツごとの起点を軸に1ドット置きに(縦・横に交差させて)透過色で塗り潰して半透明処理を行う

サンプルに使用しているパーツの一番左上のドットはピンク色なので、この画像のピンク色の部分は全て透過色(透明)となり、階段手前側部分の壁は半透明になる


Qubesについて−6
〜 オブジェクト 〜
オブジェクトを等倍で使用した例
Object design - (C) groupAsk
Qubesの基本構造となる5つのパーツが「大道具」だとすれば、オブジェクトパーツは「小道具」だと言える。

基本的にオブジェクトには決められた大きさと設置場所が存在しない(一応、前述の通り奥側と手前側の間に配置する)ので、ある意味扱いにくいパーツではある。

しかしオブジェクトパーツは見た目を決定付ける上で重要な役割を果たすものであり、欠かすことの出来ない存在でもある。

オブジェクトを有効に使うためには、元のサイズだけでなくスケールの微調整も行いたい。

CardWirthではセルを自在に拡大・縮小できるので、縦横比を維持したまま適当な大きさに変更することも出来る。

ただし、元があまり小さなパーツだと縮小した時に本来の透過点(座標0,0)を潰してしまい、マスクが有効に働かなくなることもある。

逆に、元が大きすぎるパーツは当然容量の無駄遣いになる。
オブジェクトを2倍で使用した例
Object design - (C) groupAsk

オブジェクト(魔方陣)を等倍(上)と2倍(下)で使用してみた例

※ オブジェクトリソース(改変品)はgroupAskさん制作




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Qubesについて−7
〜 さまざまな可能性 〜
石造りの建物・下水道用リソース(Hakuさん制作)のサンプル これまでは「純正Qubesリソース」及び「純正互換Qubesリソース」について説明してきたが、Qubes素材にはこの他に独自の特徴を持ったものもいくつか存在する。

たとえばHakuさんの「石造りの建物・下水道等用リソース(現在公開停止)」では壁の高さが一般のものと比べて倍あることに加え、(扉や階段・影などを除けば)手前側の壁を一切表示しないという特徴がある。

また同じくHakuさんの「森・湖・沼 リソース(現在公開停止)」では5つの基本パーツ(ug、bl、br、fl、fr)を予め構成した一枚絵(JPEG画像)に対してオブジェクトを配置するという独自規格を採用している。

この他にも扉の開閉をアニメーションに対応させたものなどもあり、Qubesの可能性はさらなる広がりを見せている。
森・湖・沼リソース(Hakuさん制作)のサンプル
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「石造りの建物・下水道等用リソース(現在公開停止)」(上)と「森・湖・沼 リソース(現在公開停止)」(下)
下の森の画像は、一枚のJPEG画像である。

※ これらのリソースは何れもHakuさん制作



Qubesについて−8
〜 独自規格 Add−Qubes 〜
地下用リソースのみ Qubesシステムを利用しつつもQubes本来の規格とは異なる独自の仕様の一つとして、Add−Qubesが存在する。

通常各1枚ずつしか使用しない5つのパーツそれぞれに対し、同型のパーツ2枚以上を重ね合わせる事によってあたかも別の場面であるかのように見せ掛ける、オブジェクトを発展させたパーツである。

実のところ、Add−Qubesは独自規格と言うほど大層なものでもなく、前述の通りただの大型オブジェクトパーツである。

よって原理自体も普通にオブジェクトを設置するのとまったく変わらないが、Add−Qubesの狙いはベースとなるパーツの外観に(そのパーツ自体に全く手を加えることなく)干渉するところにある。

例えば、既に公開している『Qubes地下用リソース』に『Add−Qubes水路用リソース』を重ねてみると、ただの地下通路が一気に地下水路に変貌する。

地下用リソース自体は変化しないので、セルの設定だけで水路がある場面と無い場面の切り替えも可能である。

また現在制作はしていないが、同一形状のダンジョンであれば、このAdd−Qubesを利用することによってそれぞれの床(あるいは壁)だけをそっくり入れ替えることも可能となる。

この様に視覚効果の向上・パーツの供給増加には一役買うが、当然使用するパーツの数が増えるわけなので容量の肥大化と設置の労力増加は避けられない。
地下用リソース+水路用リソース

『Qubes地下用リソース』(上)に対し『Add−Qubes水路用リソース』を併用してみた(下)例

※ なお、Add−Qubesは
首藤が提唱する規格なので、間違ってもらたらさんに問い合わせないように










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 以上で私なりのQubesに関する一般的な解説は終わりです。
この説明では不備がある、あるいは他に不明な点があるといった意見がありましたら
遠慮なく本館(Silver Square)の掲示板メールにてどうぞ。



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