Qubes制作講座−1

第一回 底面と側壁の作り方

講義室へ戻る

メニュー


第一回 底面と側壁の作り方

ここではQubes素材を制作する上で
最も基本となる部分、底面と側壁部の
作り方を説明していきます。

内容の説明
前述の通り、今回は教材となる5枚の画像(テクスチャ2枚、マスク3枚)を使用して
Qubes素材「底面(ug)」「壁(bl・br・fl・fr)」を制作します。

これらは、他のパーツを作るときにも必要となる、
いわばリソースの要となる部分です。

第一回の講座では、この5つのパーツの制作手順を説明していきます。




PictBearを使われる人へ
早速ですが、フィルタプラグインが必要となります。
まず最初にBearFactory Online Supportからリンクを辿って変形フィルタの一つ、「平行四辺形フィルタ」をダウンロードしてください。
それから、説明に従ってプラグインのインストールを行ってください。

ちなみに、PictBear Second Editionも同じプラグインを使用します。

なお、フィルタプラグインの導入(ダウンロードやインストールなど)についても各自でお願いします。




使用する教材
教材となる5枚の画像をダウンロードしてください。
Windows環境など、lzh形式及びbmp形式のファイルが扱える人はここから。

その他の環境の人は以下の画像を直接ダウンロードして編集してください。

底面用テクスチャ
側壁用テクスチャ
底面用マスク
奥側用マスク
手前側用マスク


以上が用意できましたら、いよいよ制作の方に移ります。




1.底面を作る
まず、底面用テクスチャ(tx_floor.bmp)を用意します。

見ての通り、よくある128ピクセルの正方形テクスチャ画像です。
これをQubesの底面素材に加工します。

手順そのものは実に簡単で、まずこの正方形画像を45°回転させて、菱形にします。

次に、画像全体を横320ピクセル・縦160ピクセルに変形させます。

以上で完成します。
・・・呆気なかったでしょうか?

ただこの手順だけで制作すると、おそらく画像の端の方はぼやけているでしょうし、画像サイズそのものは正しくとも肝心の底面部は実際に必要とされるサイズに満たないことがほとんどです。

そこで実際は、画像サイズを変更するときに必要な大きさよりもやや大きめにしておき、その上に底面用に製作したマスク画像を重ねて、最後に必要なサイズ(横320ピクセル・縦160ピクセル)にトリミングして制作することをお勧めします。



では、上で説明した作業をPictBearを使って実際に行ってみます。
(冗談みたいな話ですが)PictBearの場合はメニューバーからコマンドを選択するだけで全ての作業が行えます。

Pictbear Second Editionでは多少メニューやコマンド名が違っているものもありますが、基本的には同様の手順が踏めます。
ただし、マスク画像を貼り付ける作業は以下の通りの手順を踏んでも行えません。
具体的な方法が見付かり次第、追って掲載します。

他のソフトの場合、PictBearと同様の編集はおそらく可能だと思いますので、下記の過程図を参考にしながら行ってみてください。


ファイル > 開く > tx_floor.bmp
まず加工するファイルを開きます。
イメージ > 余白作成 > 10ピクセル > OK
余白を作らないと次の「画像を回転させる」過程で端の方が切れてしまうからなのですが、実のところ作らなくてもそれほど問題はありません。
どのみち最後に端の方は消してしまうからです。
イメージ > イメージの回転 > 角度入力 > 45度 > OK
正方形の画像を菱形に変形させます。
イメージ > イメージのサイズ変更 > 縦横比を固定のチェックを外す >幅400・高さ200 > OK
先の菱形を縦横比1:2に変形させます。
本来は320x160ピクセルなのですが、ここではそれよりも大きめに作ります。
イメージ > キャンバスのサイズ変更 > 幅320・高さ160 > アンカー−中央 > OK
ここでは編集中のイメージを無視して、画像の大きさだけを縮小しています。
同様の機能がない場合、最後に必要なサイズだけをトリミングしてください。
PictBearを新たにもう一つ開く
PictBearは一度に一つの画像ファイルしか開くことが出来ません。
そこで、ソフトを重複起動させて複数の画像を同時に編集します。
複数の画像を同時に開くことが出来る場合、この動作は当然必要ありません。
ファイル > 開く > mp_floor.bmp
これは先に開いたtx_floor.bmpに貼り付けて使うマスク画像です。
選択範囲 > 色域指定 > 選択する色(…) > R255・G0・B255 > OK > OK
画像の桃色の部分だけを選択範囲に指定します。白い部分を透明にしても構いません。
何れにしても中空の画像にする事が出来ればOKです。
編集 > コピー
. 白い部分だけを切り取った状態の画像をコピーします。
最初に開いたPictBearでの作業に戻る
. PictBearなど、一度に複数の画像を開くことが出来ないソフトの場合、重複起動させたソフトはそのままにしておくと次以降の作業で便利です。
編集 > 貼り付け
先程コピーしたマスク画像が貼り付けられますが、この時真ん中の白い部分が透けて編集中だった画像(tx_floor.bmp)が見えていれば成功です。
PictBear以外のソフトを使っていて、キャンバスのサイズが320x160ピクセルよりも大きいときは透明部分に下地(tx_floor.bmp)が収まるように位置を調節してください。
選択範囲 > 選択範囲の解除
レイヤー > レイヤーの結合 > すべてのレイヤー
仕上げです。先程重ね合わせた2枚の画像を一つにまとめます。
PictBear以外のソフトを使っていて、キャンバスのサイズが320x160ピクセルよりも大きいときは必要な部分(ピンク色の内側部分)だけをトリミングしてください。
ファイル > 名前を付けて保存
. これで無事完成です。
適当なファイル名(ファイル形式はbmpで)を付けて保存してください。

※ PictBearはフルカラー画像しか保存できません。
減色はpadieなどの減色ツールなどを使って行ってください。


2.奥側の壁を作る
底面が完成したら、次は側壁用テクスチャ(tx_wall.bmp)を用意します。
これもまた128ピクセルの正方形テクスチャ画像で、これを加工してQubesの側壁素材にします。

底面の時と同様に、制作手順そのものはいたって簡単です。
最初に壁そのものを制作する為の基本的な考え方を説明しておきましょう。

まず横160ピクセル・縦80ピクセルの長方形画像を制作します。
次に、その画像の右辺(あるいは左辺)を軸にして画像を平行四辺形に変形させていきます。
この時の左辺(あるいは右辺)の移動量は100%、つまり座標0.0から座標0.80(あるいは座標160.0から座標160.80)になるようにします。

これで壁は完成します。あとは、余白(80x80ピクセル)を足すだけで、奥側の側壁素材は完成します。

もっともこのパーツも、整形を考えれば少し大きめに作っておく方が良いです。



では、PictBearを使って実際に作ってみることにします。
上で説明した手順とは異なる方法で作りますが、基本的な考え方そのものは変わりません。

PictBearでは今回もメニューバーからコマンドを選択するだけで全ての作業が行えます。


ファイル > 開く > tx_wall.bmp
まず加工するファイルを開きます。
イメージ > イメージのサイズ変更 > 幅180・高さ90 > OK
正方形の画像を縦横比1:2の長方形に変形させます。
イメージ > キャンバスのサイズ変更 > 縦横比を固定のチェックを外す >幅270・高さ180 > アンカー−右上 >  OK
最初から素材全体の比率である縦横比2:3の大きさにキャンバスを変更します。
PictBearではこれと同時に画像をキャンバスの右上に移動させるので、アンカー指定で右上のボタンを押します。
フィルタ > 変形 > 平行四辺形 > 形状−下段中央・変形量75・未定義領域−背景色・透明にチェックを入れる
画像に傾斜変形を加え、平行四辺形に変形させます。
この時、元の画像は横方向に引き延ばされることになります。
イメージ > キャンバスのサイズ変更 > 幅240・高さ160 > アンカー−中央 > OK
ここでは編集中のイメージを無視して、画像の大きさだけを縮小しています。
同様の機能がない場合、最後に必要なサイズだけをトリミングしてください。
PictBearを新たにもう一つ開く
PictBearを重複起動させます。
複数の画像を同時に開くことが出来る状態であれば、この動作は必要ありません。
ファイル > 開く > mp_bl.bmp
これは先に開いたtx_wall.bmpに貼り付けて使うマスク画像です。
選択範囲 > 色域指定 > 選択する色 > R255・G0・B255 > OK >OK
画像の桃色の部分だけを選択範囲に指定します。白い部分を透明にしても構いません。
何れにしろ中空の画像にする事が出来ればOKです。
編集 > コピー
. 白い部分だけを切り取った状態の画像をコピーします。
先に開いたPictBearでの作業に戻る
. まだ、閉じない方が良いです。
編集 > 貼り付け
先程コピーしたマスク画像が貼り付けられますが、この時白い部分が透けて編集中だった画像(tx_wall.bmp)が見えていれば成功です。
PictBear以外のソフトを使っていて、キャンバスのサイズが240x160ピクセルよりも大きいときは透明部分に下地(tx_wall.bmp)が収まるように位置を調節してください。
選択範囲 > 選択範囲の解除
レイヤー > レイヤーの結合 > すべてのレイヤー
仕上げです。先程重ね合わせた2枚の画像を一つにまとめます。
ファイル > 名前を付けて保存
. これでとりあえず奥側左のパーツが完成です。
適当なファイル名(ファイル形式はbmpで)を付けて保存してください。
続けて奥側右のパーツを制作します。

※ 減色を忘れずに
イメージ > 左右反転
画像を水平反転させるだけで、もう一つのパーツは完成します。
ファイル > 名前を付けて保存
. 以上で奥側のパーツは両方とも完成しました。
適当なファイル名(ファイル形式はbmpで)を付けて保存してください。
続けて手前側のパーツを作る場合は、画像はこのままにして置いて下さい。

※ 減色を忘れずに


3.手前側の壁を作る
いよいよこの講座の最終段階、手前側の側壁パーツの制作に移ります。

といっても、壁自体は先に制作した奥側のパーツをそのまま使うので、今回は画像を変形させたりすることはありません。

とはいえ、手前側のパーツは奥側のものより縦に40ピクセル長く、また半透明化させるための網掛けが施されているので、それなりに加工しなくてはいけませんが。



では、PictBearを使って手順を説明します。

例によってPictBearでは今回もメニューバーからコマンドを選択するだけです。


ファイル > 開く > 先に制作した奥側右のパーツ
まず加工するファイルを開きます。
開いたままになっていれば、そのままで結構です。
イメージ > キャンバスのサイズ変更 > 縦横比を固定のチェックを外す >幅240・高さ200 >アンカー−中央 > OK
キャンバスの高さに40ピクセル加えます。
次で画像全体の位置を動かすので、PictBearはアンカーは中央に指定します。
イメージ > シフト > 水平方向80・垂直方向20 > OK
画像(壁の部分のみ)をキャンバスの右上に移動させます。
PictBearを新たにもう一つ開く
PictBearを重複起動させます。
複数の画像を同時に開くことが出来る状態であれば、この動作は必要ありません。
ファイル > 開く > mp_fl.bmp
これは先に開いた奥側右のパーツに貼り付けて使うマスク画像です。
既に半透明処理用のマスクの網掛け処理も施してあります。
選択範囲 > 色域指定 > 選択する色 > R255・G0・B255 > OK >OK
画像の桃色の部分だけを選択範囲に指定します。白い部分を透明にしても構いません。
何れにしろ中空の画像にする事が出来ればOKです。
編集 > コピー
. 白い部分だけを切り取った状態の画像をコピーします。
先に開いたPictBearでの作業に戻る
. この講座1で、こちら側で作業をすることはもうありません。閉じても結構です。
編集 > 貼り付け
先程コピーしたマスク画像が貼り付けられますが、この時白い部分が透けて編集中だった画像(奥側右のパーツ)が見えていれば成功です。
PictBear以外のソフトを使っていて、キャンバスのサイズが240x200ピクセルよりも大きいときは透明部分に下地(奥側右のパーツ)が収まるように位置を調節してください。
見難いときには拡大表示機能(PictBearの場合、表示 > ズームイン)などを利用してください。
選択範囲 > 選択範囲の解除
レイヤー > レイヤーの結合 > すべてのレイヤー
仕上げです。先程重ね合わせた2枚の画像を一つにまとめます。
ファイル > 名前を付けて保存
. これでとりあえず手前側左のパーツが完成です。
適当なファイル名(ファイル形式はbmpで)を付けて保存してください。
続けて手前側右のパーツを制作します。

※ 減色を忘れずに
イメージ > 左右反転
画像を水平反転させるだけで、もう一つのパーツは完成します。
ファイル > 名前を付けて保存
. 以上で手前側のパーツは両方とも完成しました。
適当なファイル名(ファイル形式はbmpで)を付けて保存してください。

※ 減色を忘れずに


4.確認について
これで「底面パーツ」と「各方向の側壁パーツ」が全て揃ったはずです。

PictBearを使って完成させた場合は数値の入力ミスなどがない限り、素材は規格通りの形状をしているのでわざわざ設置状態を確認する必要はありません。

ですが、作ってみた素材が実際どの様表示されるのか気になるとは思いますし、またもしかしたら細かなミスがあるかも知れません。ましてやPictBear以外のソフトで制作した場合は本当に上手くできたのかどうか不安もあるでしょうし、確認した方が良いのは間違いありません。

そこで確認するための方法ですが、まず一番に思い付くのはCardWirth Editorを使って実際にエリア内に設置してみることだと思います。

適当なエリアを作って、シーンビューで各パーツをセルとして所定の位置に貼り付けていくだけで確認が行えます。
またVer.1.25以上のCardWirth Editorであれば、セルの設定ダイアログの「簡単設定」を使うことで容易に設置が行えます。

この他に、Qubesの各パーツを一つの画像として合成するツール(※)を使うことによっても、確認作業を行うことが出来ます。
これらの使い方は、各ツールの操作方法を参照して下さい。


※ らたらさんのサイト『Wind Palace』にあるQubes対応ツールプログラムのページから入手する事が出来ます。

ただし、同ページでいくつかのツールの入手先がデッドリンクになっているみたいですので、正しい入手先をここに記載しておきます。

Qubes Helper(minutes氏)
QubesLight(Kazu氏)




5.注意事項
さて、いくつか忘れてはならない注意点をここで取り上げます。

まず、パーツの減色についてです。
既に何度も「減色を忘れずに」と釘を差してきましたが、いくら何でもフルカラーの画像を素材にするわけにはいきません。
Qubesのパーツ程度の画像であればフルカラーと比較してもそれほど遜色はないので、256色には最低でも減色して下さい。
また最初から近似色で構成されたテクスチャーを利用して作れば、16色に減色してもほとんど劣化は見られません。
効率の良い減色方法を探ってみるのも、素材を作る上で重要なポイントになります。

次に、座標(0.0)に透過色を配置することです。
意外と忘れやすいのですが、ここを透過色以外でで塗り潰してしまうと設置した後で笑うに笑えない状況になります。
教材で使用したマスク画像は、予めここを透過色にするようにしてあります。

また半透明処理を行うために用いられる、透明色の網掛けについても少し。
Qubes研究所−資料室の「半透明処理」についての項目で説明しているのですが、透過色を配置する場所は各パーツごとに微妙に異なります。半透明処理を行う際には多少の注意が必要となります。
もっとも大抵の場合、パーツ単体の見た目がきちんと半透明になってさえいれば(あるいは半透明を用いなければ)良いのであまりこの点にこだわる必要はないのですが、もしもAdd−Qubesに興味があるのであれば、覚えておいて損はないと思います。
教材で使用したマスク画像は、この法則に基づいて予め網掛けを施しています。




6.最後に
以上で制作講座1はおしまいです。

・・・どうでしたか?
おそらく、当初思っていたよりもずっと簡単に制作できたのではないかと思います。

今回制作したパーツは5つだけですので、まだ本格的なリソースに至るまでは程遠いのが現実ですが、これ以降に制作するパーツは全て今回の応用によって作っていきます。
もしかしたら、今回の講座を受講しただけで残りの素材全てを完成させてしまう人もいるかも知れません
(もちろん、それはそれで一向に構いません)。

次回以降は、今回制作した「閉鎖空間」素材から出入りを行うための手段をもった素材の制作に入りたいと思います。
どうぞ今後も引き続きお付き合い願います。

それでは。




この講座の内容に不備や不明な点がある、ソフトウェアに関する質問がある、
あるいはWindows環境以外での制作に関する情報などがありましたら
遠慮なく本館(Silver Square)の掲示板メールにてどうぞ。



戻る